「入社してから最低でも3年は続けなさい」
よく言われる言葉です。
この言葉を聞くたびに私はいつもこう思います。
「何を根拠に3年という数字が導き出されたのか?」
なにか数学的根拠があっての3年という数字なのか、
それとも「石の上にも3年」「桃栗3年柿8年」のようなことわざに引っ張られて出てきた数字なのか。
気になったので、なぜ「3年」という数字なのか私なりに考えてみました。
「3年」とよく言われる根拠
この話はネット上でも散々議論されています。
ネットでググって出てきた意見をざっくりとまとめてみました。
- 1〜3年目社員(中途除く)に任される仕事は主に雑用で、雑用期間を耐え抜いた4年目社員から責任ある仕事を任されることが多いから
- 1年やそこらで辞めたら転職活動で不利
- 3年目以降から仕事が楽しくなってきたから
- 石の上にも三年というように、物事は3年続けるのが吉
どれも賛否両論分かれる意見だと思います。
これらの意見が正しいかどうかの議論はここでは割愛し、
私の持つ考えについて話します。
私の個人的な考え
ここからは私の主観的な考え方が多く含まれます(笑)
一般論として受け止めるのではなく、そういうふうに考える人もいるんだなあぐらいの気持ちで読んでいただけたらと思います。
それではいきます。
会社は採用活動のためにコスト(お金)をかけています。
= 私達を雇うために、会社はお金を払っているのです。
例えば100万円のコストをかけて採用活動をした結果、10人の新入社員を採用したとしたら、
新入社員一人あたり10万円分の働きをしてもらって会社に100万円以上の利益を貢献してもらわないと、会社的には損ですよね。
自分を採用するためにお会社のお金を使っているだから、せめて最低限の採用コスト分(ここでは10万円)の貢献をしないと帳尻が合いませんよね。
にもかかわらず、半年や1年(あるいはもっと早く)で会社を辞めてしまうのは会社に対して失礼だと私は思います。
どれだけ人間関係がクソだろうと、どれだけブラック企業だろうと、自分を採用するために払われたコスト分を自らの労働で会社に返し切るまでは会社を辞めるべきではないと思います。
採用コスト
では、実際のところ採用コストは何円かかっているのでしょうか。
私は新卒で入社したので、新卒採用の採用コストで考えますが、
マイナビが行った「2018年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」によると、一人あたりの採用コストはおおよそ50万円だそうです。
ということは、
従業員一人につき、入社時点で会社に対して50万円の借金を抱えているわけです。
仮に3年以内にその会社を辞めたくなったとしても、借金を返してからじゃないとなんとなく辞めにくいですよね。
では、3年以内に借金を返済できるのでしょうか。。。
研修期間は借金を返せない
中途採用の場合はわかりませんが、
新卒採用の場合、最初の数週間〜数ヶ月間は研修があります。
この研修期間の平均値をどう設定するか迷ったのですが、
私の周りの同期や学生時代の友人・先輩からの情報、ネットで調べた数値から平均して、
新卒従業員の研修期間を3ヶ月とします。
研修期間は、教育を受けているだけでお金(給与)がもらえます。
(従業員的には嬉しいですが、会社的には最悪だと思います(笑))
企業によりますが、高卒・大卒の新入社員の平均給与はだいたい18〜20万円くらいだとおもうので
20万円 ✕ 3ヶ月 = 60万円
会社は60万円かけて従業員を教育していることになります。
従業員はもともと入社時点で50万円の借金があったので、
50万 + 60万 = 110万円まで借金が膨れ上がってしまいました。
研修が終わり、ようやく返済スタート
3ヶ月の研修が終わり、従業員はようやく仕事を始めます。
現時点で110万円の借金です。
従業員が頑張って仕事をした結果、諸々差し引いて月に4万円分の利益を会社に貢献したとしたら、
110万 ÷ 4万 = 27.5
27ヶ月半、つまり2年と3ヶ月半かかってようやく会社への借金を完済できます。
研修の3ヶ月を含めれば、借金返済に2年と6ヶ月半かかっています。
3年まではいきませんでしたが、最低でも約2年半は辞めずに続けないといけないということですね。
雑感
雑に計算してみましたが、研修期間の「6ヶ月」や毎月の返済額「4万円」などは適当に決めた数字なので、計算があっているかどうかは保証しません(笑)
それぞれの会社の一人あたりの営業利益や採用コスト、研修期間の長さなどによって計算結果は変わります。
その計算結果が「3年」よりも長いか短いか。
みなさんも計算してみてはいかがでしょうか。